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蝸牛角上

読書メモ。あらすじ。というよりダイジェスト?

レ・ミゼラブル その13 (ビクトル・ユーゴー作 豊島与志雄訳)

バマタボア氏の遊惰

 1823年の1月。

 雪の降ったある晩。

 士官らの集まるカフェーの窓の前を、ファンティーヌはうろうろしていた。


 バマタボアという閑人が、彼女をからかった。

 ファンティーヌは無視した。

 不機嫌になったバマタボアは、彼女の背中に雪をおしこんだ。

 取っ組み合いの喧嘩になった。


 背の高い男が割って入り、ファンティーヌの胴着をつかんで言った。

「ちょっと来い!」

 ジャヴェル警視だった。

市内警察の若干問題の解決

 ジャヴェルはファンティーヌを警察署に連行した。

 警察は娼婦を思うままに罰することができた。

 ジャヴェルは、ファンティーヌを六ヶ月間、牢に入れる、と処分を決定した。


 ファンティーヌは許しを乞うた。

「私が悪かったんじゃありません。

 あの男が私の背中に雪を入れたんです。

 私には娘がいます。

 娘のために100フランも払わなければならないんです」


 ジャヴェルは意に介さなかった。


 しばらく前からその場にいた男が、物陰から出てきて止めに入った。

 マドレーヌ市長だった。

「ジャヴェル君、この女を放免しておやりなさい」


 ファンティーヌは動揺した。

 彼女が苦境に陥ったのは、そもそもマドレーヌが彼女を解雇したからだった。

 その彼が、いまは彼女を救おうとしている。

 ファンティーヌは信じられず、放免しろ、と言ったのはジャヴェルだと思いこもうとした。

 そしてマドレーヌ市長を罵った。


 マドレーヌは、ファンティーヌを罪に問わないよう、再度ジャヴェルに命じた。

 ジャヴェルは抗った。

 マドレーヌは揺るがなかった。

 ついにジャヴェルは引き下がった。


 マドレーヌはファンティーヌに語りかけた。

「私はあなたを知らなかった。

 が、あなたの言ったことが事実であると信ずる」

 彼女の負債を引き受けること、コゼットと一緒に暮らせるようにはからうことを約束した。


 ファンティーヌはすすり泣いた。

 そしてマドレーヌの前にひざまずき、その手をとって口づけをすると、ファンティーヌは気を失った。