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蝸牛角上

読書メモ。あらすじ。というよりダイジェスト?

レ・ミゼラブル その12 (ビクトル・ユーゴー作 豊島与志雄訳)

ヴィクチュルニヤン夫人35フランをもって貞操を探る

 ファンティーヌは自分で働いて暮らしてゆくことに喜びを感じた。

 小さな女の子がいることについては秘密にした。

 しかし彼女がよく手紙を出していることは人々の興味をひいた。

 人々は代書人に酒を飲ませ、ファンティーヌの手紙の宛先が、テナルディエ夫婦だと
いうことを聞き出した。

 ヴィクチュルニヤンという夫人が異様な行動力を発揮し、実際にテナルディエ夫婦の
ところまで調べに行き、ファンティーヌに私生児がいることをつきとめた。


 ある日の朝、工場の監督がファンティーヌに50フランを渡し、クビを宣告した。

 それはちょうど、テナルディエが月々の養育費を15フランに増額すると要求してき
た月のことだった。

ヴィクチュルニヤン夫人の成功

 マドレーヌはファンティーヌのことを知らなかった。

 女工のことは監督にすべて任せていた。


 ファンティーヌは困窮した。

 日に12スーだけ得られる仕事をやっとみつけた。

 マルグリットという老女が、貧しくともどうにか暮らしていく方法を教えてくれた。


 ヴィクチュルニヤン夫人は、ファンティーヌの困窮を、祝った。


 過度の労働は、ファンティーヌを疲れさせた。

 彼女はかわいた咳をするようになった。

成功の続き

 ファンティーヌに稼げる金は少なく、借金が増えるばかりだった。

 テナルディエが、コゼットに冬の服を買ってやらねばならないから、と10フランを
要求してきた。

 ファンティーヌは自慢の髪の毛を切って売り、10フランをこしらえた。


 ファンティーヌはだんだんと、世間やマドレーヌを恨むようになった。

 咳は出続けていた。


 テナルディエから、コゼットがツブハシカにかかった、と手紙が来た。

 薬代として40フランが必要だという。


 いまのファンティーヌに用意できる金額ではなかった。

 ファンティーヌは笑い出した。

 笑いながら広場に出ると、あやしげな歯医者が入れ歯や歯磨き粉を売っていた。

 歯医者は、ファンティーヌが美しい前歯をしているのに目をとめ、1本20フランで
買うと言った。

 ファンティーヌは夜まで迷い、前歯をコゼットの薬代に替えた。


 コゼットがツブハシカだというのは、テナルディエの嘘だった。

 だがファンティーヌにそれを確かめる術はなかった。


 ファンティーヌの生活はますます追いつめられた。

 ベッドもない部屋で、一日に17時間働いても、得られる賃金は9スーに減った。


 そこへ、テナルディエが100フランを要求してきた。

 払わなければコゼットを追い出すという。


 ファンティーヌは娼婦になることにした。

キリストわれらを救いたもう

 ファンティーヌの物語はそもそも何を意味するか?

 それは社会が一人の女奴隷を買い入れたということである。

 誰から?

 悲惨からである。

 飢渇と寒気と孤独と放棄と困苦とからである。

 悲しき取り引き、

 一片のパンと一つの魂との交換、

 悲惨は売り物に出し、社会は買う。